ノロウイルス
2018年1月20日(土) 総合
冬になると、ノロウイルス感染症が流行します。今回は、自宅での嘔吐物の適正な処理方法について解説いたします。
ノロウイルスとは、急性胃腸炎を引き起こす最も一般的なウイルスで、年間を通して発生しますが、特に冬期に多く、感染力が強いことで知られています。
潜伏期間:
24時間から48時間 症状が治まった後も、約2〜4週間は排泄物にウイルスが検出されます
主な原因:
二枚貝(カキによる食中毒が有名)
感染経路:
経口感染、接触感染、飛まつ感染(人の手や口、鼻を介して感染)
感染力:
強い
主な症状:
嘔吐・下痢・腹痛
治療法
ノロウイルスには特効薬やワクチンがないため、点滴や経口で水分補給するなどの対症療法しかありません。子供や高齢者は免疫力が低いので、普通の成人に比べてノロウイルスにかかりやすい傾向があります。また、下痢止めは、ウイルスの排泄を妨げ、症状が長引く可能性があるので使用しないでください。
ご家庭での嘔吐物処理の方法
準備しておくもの
感染拡大を防ぐため、この時期に準備しておくことがおすすめです。
●塩素系漂白剤の希釈液は先に作っておき、ペットボトルにいれておきましょう。(2本分用意しましょう)
●希釈液の作り方…水500㎖に塩素系漂白剤10㎖(ペットボトルのキヤップ2杯)
嘔吐物を触る前の準備・注意事項
関係者以外は近づかない
□ 換気をする
□ ゴミ袋は一次回収袋(A)と二次回収袋(B)の2枚用意し、口を開けておく。
□ 使い捨てエプロン→マスク→使い捨て手袋(2枚重ね)の順で装着する。
□ バケツにペットボトル1本分の希釈液を入れ、ペーパータオルを浸しておく。
① 嘔吐物の外側から新聞紙やペーパータオルなどで覆います。
② 塩素系漂白剤の希釈液を嘔吐物の量と同じ量、静かに注ぎます。
③ ペーパータオル又は新聞紙で嘔吐物を外側から内側に向けて拭き取り、Aの袋に入れます。
④2枚重ねの外側の手袋を外しAの袋に入れます。
⑤ 希釈液を内容物がまんべんなくぬれる程度に入れ、袋の口をしっかり結びます。
⑥袋Aを袋Bに入れます。
⑦床をきれいにしましょう。
嘔吐物を取り除いた床は、まず、希釈液に浸したペーパータオルで覆います。
(必要時は壁にもペーパータオルを貼り付ける)
10分程おいた後、汚染範囲の床等を拭きとり、その後、水拭きしましょう。
⑧感染防止品を取り外しましょう。
手袋、エプロン、マスクの順に、表面を触らないように外します。
外した物はその都度、袋Bに入れます。
最後に、内側を触らないように注意して口をしっかり結びます。
二次回収袋はごみとして処分します。
⑨最後に
余った塩素系漂白剤の希釈液は廃棄しましょう。
最後に流水と石鹸で洗い残しがないように、しっかりと手洗いをしましょう。
感染対策のポイント
今のところアルコール消毒の効果ははっきりしていません。嘔吐物・便を処理する場合は、プラスチック製の使い捨て手袋、エプロン、マスクを着用し、塩素系の洗剤で掃除してください。
また、まめな手洗いも必要です。嘔吐や下痢が発症していなくても、感染している場合があります。
子供や高齢者に感染させない対策としても、手洗いは必要です。
料理する時は、二枚貝などの感染がある食品は中心部までしっかり(85℃で90秒以上、60℃程度の温度では10分以上)加熱して食べましょう。
とにかく、困ったらお気軽にご相談ください
総合相談室
スタッフ
私たちがご対応いたします。
医療のこと、介護のこと、ご家族のことなどでお困りの点、不安なことなどありましたら牟田病院の総合相談室にお気軽にご相談ください。どのように対処し、どのような施設を活用するかなどご相談に乗ります。