昭和62年の開院以来、「より暖かく確かな医療と福祉のサービス」を地域の皆様に提供してきました。
今後も、地域に根ざした病院として、また医療から介護まで頼れる存在として、社会環境の変化にも対応し、充実した医療と福祉を提供するために新病棟建築を進めてまいりました。
新病棟の機能を少しだけご紹介いたします。

初診・再診を問わず、外来患者さんの待ち時間をできるだけ短縮できるよう、牟田病院の新病棟は、受付から各診療科までの動線を改めて見直しました。正面入り口から入ってすぐの受付で、診察の受付を済ませた患者さんには、待合スペースに進んでいただき、順次それぞれの診察室へと誘導します。また、新たに高性能MRIを導入し、これまで以上に正確な画像診断が可能です。

 

牟田病院は以前から、上部・下部内視鏡による胃がん・大腸がんの検査や、糖尿病、高血圧性腎硬化症、動脈硬化など、主に生活習慣に起因する各種疾患の健診に力を入れており、新病棟でも、各種健診を皆様がよりスムーズに受診できるよう配慮しました。
今後、皆様に気軽に健診を受けていただけるよう、健診センター専用の更衣室も設置しております。健診の多くは、来院いただいた普段着のままでも受けられますが、心電図や胸部レントゲンを行う場合、あらかじめ検査着に着替えていただくことで、検査がよりスムーズになります。

２０１５年末の男女合計罹患数で、大腸がんは日本人最多のがんになりました。ただ、早期発見できれば根治しやすいのも、大腸がんの特徴です。新病棟の内視鏡センターには、完全個室の前処置室を４室設置。もちろん各室にトイレを完備しています。そのため下部内視鏡検査時の下剤服用、上部内視鏡検査時の前処置などを、プライバシー重視の落ち着いた環境で行えます。
下剤服用時に他の患者さんと顔を合わせることがないので、上部内視鏡・下部内視鏡とも、抵抗感のない検査を受けていただくことができると考えています。

 

一般病棟に関しても多くの想いを込め、各病室内にトイレを配置したり、ゆったりとした廊下の幅を確保したりと、患者さんの入院生活をより良いものにできるよう一新されています。
また、各病棟に、スイッチひとつで自動的に浴槽洗浄が可能な浴槽も設置。治療へ取り組む患者さんをソフトとハードで支援いたします。

 

医療療養病棟は、慢性期の疾患で中長期的な治療と療養を必要とする方が対象です。
医療の必要度が高く寝たきりの患者さんが多いため、褥瘡予防や誤嚥性肺炎の予防として口腔ケアの充実に力をいれた合併症予防ケアを中心に行っています。
新病棟では患者さんの目線に合わせた大きな窓が設置されており、外からの日差しが患者さん一人ひとりに行き届く暖かい空間になっています。
今後もスタッフ全員が笑顔で「暖かいサービス」を提供することを目指します。

 

回復期病棟には２つの病床が設置されます。回復期リハビリテーション病床と地域包括ケア病床です。共に社会復帰や在宅復帰を目指す病床ですので、同じフロアに機能訓練室を設置しました。これまで以上に効率的にリハビリを行う事が可能です。また、独立した言語療法室を２室新設。患者さんのプライバシーを大切にしながら、言語や聴覚、認知、
摂食・嚥下などの訓練や指導、支援を行います。
浴室は他の病棟とは異なるリハビリ機能を備えた浴槽を導入しています。

 

新病棟建築において、地域からの要望が多かった緩和ケア病棟の開設は重要なテーマでした。
がんに伴うさまざまな痛みやつらさに対するケアはもちろんのこと、できる限り自宅と同じような環境で最期の時間を過ごしていただくことも患者さんやご家族にとっての希望の一つではないでしょうか。
そのためにご家族が時間を気にせずお見舞いに来られるよう、面会時間を制限いたしません。また、患者さんが生活の中で大切にされていたことやお好きなこと…例えば、家族同様大切になさっているペットとのふれあいなどにも柔軟に対応できるよう配慮いたします。
「緩和ケア病棟」は患者さんとご家族が共にゆっくり過ごせる広さの個室を　床準備しています。
専門的緩和ケアを受ける場所として、医師や看護師、セラピストなどが多職種で、患者さん一人ひとりに合わせた医療やケアを提供いたします。